死なない程度に頑張ろう

眼鏡が無駄に考えたり考えなかったり

ポケットモンスターサンムーン感想(殿堂入りまで)

ポケモン歴はピカチュウ→銀→ダイヤモンド/プラチナ→ソウルシルバー→ホワイト/ブラック2→X→アルファサファイア。今回はムーンを買いました。以下、印象的な点を良い悪い関係なく。ストーリー項目以外は致命的なネタバレ要素はないはずです。殿堂入りまでなので育成環境等への言及も大してありません。 

 

ライドポケモン

ケンタロスリザードンラプラスなどのポケモンに乗ってフィールドを移動。XYでもサイホーンに乗ったりゴーゴートやメレシーに乗ったりは出来ましたが、今回は一部を除いてどこでも乗れます。というか、自転車や波乗り空を飛ぶ等のフィールド秘伝技の役割がライドポケモンに移動した感じです。過去作でのひでんマシンもわざマシンに。これで秘伝技要員という手持ちの圧迫枠は解放。便利になりました。でも、お気に入りのポケモンでフィールドを切り開いて進む感覚が無くなったのは残念とも。ケンタロスがいても自転車はあって欲しかった。

 

島巡り

今作のジム的なポジション。アローラ地方ポケモンバトル後進地域なのか、作中では終盤までポケモンリーグもありません。逆にカントー(地続きなジョウトも含む?)は先進地域のようで。

・試練

各島のキャプテンの課す試練を突破してぬしポケモンを倒し、Zクリスタルを貰います。キャプテンとポケモンバトルをするわけではありません。このぬしポケモンが中々の曲者。オーラを纏っていて何かしらのステータスが一段階上昇してますし、助けを呼ぶということでポケモンを呼んで1対2を仕掛けてきます。ただ強いだけならいいのですが、1対2の多勢に無勢な状況に加え、呼ばれたポケモンを倒してもすぐにまた仲間を呼ばれるイタチごっこ。バトルとして骨があるとかアツいとかではなく、ただ理不尽。ついでに使ってるのが初代3DSのせいか敵が増えるとかなりもっさりします。個人的に手ごわかった試練はスイレン。雨天で群れヨワシがママンボウのてだすけを受けて水技を放つのはひたすらに恐ろしい。

 

・大試練

しまキング/しまクイーンとのバトル。試練のぬしポケモンとは違い正統派なトレーナー戦なのが嬉しい。地味にZワザを使いますが、切り札ポケモンの1ターン目に必ず撃つわけではないので普通に倒せます。

 

ポケモン

・新ポケモン/リージョンフォーム

新顔は高火力鈍足が多い印象。お気に入りはデンヂムシ。でもパーティには入れてません。先述の通り鈍足が多数なので、気がつけばパーティ全員が格下相手に逃げられなくなっていることも。ズバットイーブイはいるので、クロバットやサンダースに進化させると野生での逃亡に便利。リージョンフォームは旧作のポケモンがアローラの環境で姿やタイプが変わったもの。トレーナー戦で過去作感覚でポケモン入れ替えすると泣きを見ます。トレーナーでも観光客の出すポケモンは従来のフォームなあたりは細かい。

 

・図鑑説明

食物としてのポケモンの説明がちらほら。初代やアイアントクイタランのように従来からポケモン間で捕食について言及はされていましたが、今作は特に顕著です。オニスズメが虫ポケモンを食べたり、ドヒドイデがサニーゴを食べたり。マケンカニのハサミは美味とのこと。ブロスターも美味しいでしょうか。ちなみにアローラではヤドンの尻尾を食べるみたいで、ジョウトロケット団が切ったヤドンの尻尾にもちゃんと販路がありました。食う食われるの食物連鎖、人間が食材として利用などの記述はポケモンの世界に現実感を帯びさせて面白く、他にも似たような記述はないものかと捕獲モチベーションが上がりました。

 
バトル

・Zワザ

今作の象徴。島巡りもZワザに必要なZクリスタルを集めるものですし。バトルで1回しか使えないものの、守るや見切りは貫通するし威力は強烈の一言。ぬしポケモンに手こずった際の救いの一撃。でもポーズはクソダサ。演出は長いしイナズマイレブン的なデカデカと主張する文字がなんともダサい。技自体は攻撃技をZ化すると追加効果がなくなるようなので、オバヒをZ化して特攻下げずに撃ったりボルチェンをZ化して交代せずに撃ったりと戦略の幅はありそう。もっとも、メガシンカ同様持ち物枠を使いますし、ストーリーでは金策で主力にお守り小判を持たせたためZワザを使ったのは片手で足りる程度でした。ネット対戦にはまだ潜ってませんが、高火力で守る見切り貫通ということで受けはまたキツくなるのでしょう。BWあたりから火力インフレが凄まじい。

 

・助けを呼ぶ

Amazonのレビューでもマイナス要素として多々触れられています。ぬしポケモンだけでなく、通常の野生ポケモンも時々助けを呼ぶ行動を起こします。XYでの群れバトルのように、こうなると的が絞れないためボールは投げられません。HPが低いほど助けを呼びやすくなるので、捕獲しようとしたら助けを呼ぶ→増援を倒してもまた助けを呼ぶ、ということが続きます。厄介なことに、助けを呼ぶ行為自体はターン消費に影響しないので、相手はワザと助けを呼ぶことを両立するのでほっとけばジリ貧になりかねません。一応、増援ポケモンは獲得努力値が増えたり、連鎖で良個体値が出て来るボーナスがあるようですが、ストーリー上避けては通れない捕獲行為にとってはひたすらに厳しい。オンオフくらいは欲しいものです。と言いつつ今は良個体値メタモンのためにひたすら仲間を呼ばせているのですが……。

 

会話等

結構ユーモアに振ったようです。スカル団の言い回しに韻を踏んだものが散見される他「がんばリーリエ」「しまキングはやるキング」など。「いきのいいかいパンやろう」「おいでませやまおとこ」や文字に起こされた鳴き声は結構好きです。全体的には少々乱発気味で寒いです。Zワザの演出ではありませんが、妖怪ウォッチやってる層には受けそう。一方で、喫茶スペースの女性やレジ打ちのおっさんの言葉など成人方面が共感・納得するような言葉もありその点ではバランスがとれているとも。今作は会話での選択肢が多くありますが、どれを選んでも枝葉末節が変わる程度で大筋に影響があるということはありません。その微妙な会話の変化を網羅しようとリセットすることが多々ありました。でも選択肢は取ってつけたようで水増し感は否めず。あ、主人公のベッドソムリエっぷりはいいぞ。

 

ストーリー(ネタバレ注意/反転)

主人公が島巡りを通じて成長していくのだ……とはならず、メインは非トレーナーのリーリエでした。UBに執着しパターナリズム極振りな母親ルザミーネからコスモッグを守るべくエーテルパラダイスから脱走。主人公とハウの島巡りの様から徐々に触発されて、深窓の令嬢からがんばリーリエにフォルムチェンジ。ウルトラホールに消えた母を訪れて対峙して助け、カントーへ旅立つ。最近の過去作のような宇宙創造を企んだし世界を滅ぼそうとしたりはせず、ある意味親子喧嘩の延長のようなせいか馴染みやすいものでした。ルザミーネの自分が美しいと思ったものだけ保護すれば良いという考えは、実社会で見た目がいい動物だけがクローズアップされて保護されていることを思い出させます。エーテル財団がポケモン保護団体ということで、シーシェパードグリーンピースのような実社会の保護団体でも揶揄するのかと懸念していましたが、そこまでなく綺麗にまとまっていたと思います。一方で、主人公が無表情で選択肢以外話すこともないのでリーリエのバトル代行的ポジションになっていったのは残念です。ウルトラホールを開けてUB呼び出して愛でようとした程度で、過去作ほどの荒唐無稽な規模の野望ではない故に主人公が阻止に走る強い意志や意味も必要とされません。それでも登場人物の成長という点では歴代でも最も細かく描かれていてRPGらしさがあったと思います。

まとめ

図鑑完成や対戦・育成を主軸にしたRPGポケットモンスターシリーズですが、今作はシナリオにも力を入れていると感じました。秘伝技やジムが登場しないことも相まって、「ポケモンらしくないポケモン」。その意味でポケモンから離れていた人も再び触れるにはいい作品だと思います。私自身としてはジム戦がやはり欲しかった。一部のキャプテンとは後にトレーナーとしてバトルするイベントがありますが、演出やぬしポケモンのような不条理のない戦闘は、ポケモンはジム戦してなんぼと思わされました。

 

 

 

そんなわけで、皆もやろうポケットモンスター サン/ムーンという記事。色々並べましたが、リーリエやスイレンが可愛いしそれだけでも購入の意味が……。